レポート

留学生と巡る静岡県②
海まで一望できるロープウェイで、国宝・久能山東照宮へ

静岡県静岡市駿河区にある「久能山東照宮」は、江戸幕府を開き、晩年を駿府城(静岡県静岡市葵区)で過ごした徳川家康公を祀る神社。極彩色で豪華絢爛な「権現造」の社殿は、江戸初期の代表的建造物として、国宝に指定されています。日光東照宮を始め、その後全国に数多く創建された東照宮の原型となりました。

静岡県立大学​​大学院生のリージャンファ(李江華)​​さんと一緒に、久能山東照宮を訪れました。

標高216メートルの久能山にある久能山東照宮。今回は、名勝「日本平」から東照宮を5分で結ぶ「日本平ロープウェイ」に乗って向かいます。

李さん「ロープウェイから見える景色が好きですね。11月から12月頃にかけては、紅葉がきれいです。向こうの方には海も見えて、海岸沿いにはいちごのビニールハウスがたくさん並んでいます。実は今、そのうちの一軒のいちご農家さんでボランティアをしています。農家さんが80歳のおばあちゃんで、一人での作業が大変なので、週末にたまに手伝いに行っています。

ロープウェイもいいですが、久能山の下から山を登って参拝するルートも好きです。1159段の石段で表参道を登っていくんですが、昔の人は『いちいちごくろうさん』と洒落を言いながら参拝したそうです。」

久能山東照宮の拝殿には、中国の故事「司馬温公の甕割り(しばおんこうのかめわり)」の彫刻が施されています。

李さん「『司馬温公の甕割り』は、中国の政治家・司馬温公が子どもの頃、一緒に遊んでいた友だちが水甕に落ちて溺れてしまい、高価な甕を割って友だちの命を助けたという、『命の大切さ』を伝える故事です。私自身、小学校の頃に学んだことがあり、中国では誰もが知っている話です。

先日、日中韓の学生が集まる東アジア文化都市学生フォーラムで久能山東照宮を訪れ、この場所にまつわる歴史を学んだ際、家康公もこの話に共感したと知って、日本と中国の文化の共通点を感じました。」

「久能山東照宮」は、中国と日本の文化的なつながりを感じるスポットでした。李さん、ご一緒していただきありがとうございました!

  • スポット詳細①
    • 名称: 日本平ロープウェイ
    • Webサイト:https://ropeway.shizutetsu.co.jp/
    • 所在地: 〒424-0886 静岡県静岡市清水区草薙597-8
    • アクセス:JR静岡駅からしずてつジャストラインバス「日本平ロープウェイ行き」終点「日本平ロープウェイ」で下車
    • 営業時間:9:10~17:00(※詳しい時刻表は公式ホームページを参照)
    • 定休日: 荒天時や設備更新に伴う運休の可能性あり
    • Google map:https://maps.app.goo.gl/5MLMEpnzrRtozV1p9
  • スポット詳細②

静岡県立大学​​大学院生 リージャンファ(李江華)さん

中国出身。2017年に来日。
日本学校で2年間日本語を勉強し、静岡県立大学国際関係学部に入学。
現在静岡県立大学大学院1年生。大学院では国際社会・文化を学んでいる。